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ユーザーさまの声 Vol.2
セロリー株式会社 太宰社長
創業以来「確かなものづくり」という考えのもと、
長年築き上げてきた技術を継承するユニフォームの企画、製造、販売を行う、
セロリー株式会社 様
岡山県岡山市
繊維ニュース2017年4月28日号掲載記事より一部抜粋、追記
2017年04月28日付(金曜日)2017春季総合特集
セロリー/社長 太宰 幹夫 氏
節目の50期に売上高50億円へ
ヒット商品継続で増収基調
セロリー(岡山市)は、本年度上半期(2016年12月~17年5月)、主力のオフィスウエアの販売が堅調で前年同期比で微増収となりそうだ。
「ニット企画などのヒット商品の継続や、デザイナーが成長してきた」と太宰幹夫社長。来期は節目となる50期であり、
国内に生産基盤を持つ強みを生かし、品質や納期の面で顧客への信頼感を高めながら、売上高50億円を目標に掲げる。
(一部省略)
――オフィスウエアの好調の要因は
⼀つは企画の良さがあります。特にニットを使った企画は今春夏もヒットが続いており、4年前からの販売数量は累計で70万点 以上となっています。各拠点にデザイナーを配置していますが、お客さまから直接このデザイナーと仕事がしたいといった指名 が増えてきました。これまで指名などあまりありませんでしたが、それだけデザイナーが成⻑してきたんだと思います。
――⽣産拠点の設備投資などはいかがですか
⼤きな建屋などは現状考えていません。国内生産に於いては特に自社生産にこだわっています。
⽣産⾯では従来通り品質重視の姿勢を崩さず、当社が創業よりすすめている「確かなものづくり」の精神を貫くためにも、
今度は⽣産性を追求していく必要があると感じています。生産品の種類では、ニット生産が全体の6割を占め、
レディース・ユニフォームが当社のメインラインナップとなっています。
これらニット商品の企画、縫製などに対して新しい取り組みを行いつつ、従来のノウハウを保つこと、
そして、最高のクオリティを維持し続けることが当社の使命であり、課題でもあります。
そこで、今年から⽣産拠点の⼀つ、伊万⾥セロリー(佐賀県伊万⾥市)にデジタル作業分析システム(以下、DPA)を導⼊しました。
作業の様⼦を⼩型カメラで撮影し、問題を“⾒える化”することで、効率化の向上につなげようというものです。
例えば同じ⼯程でも⼈によってかかる時間が違う。この時間を少しでも早い⼈に合わすことができれば、それだけ時間の効率化ができます。
導入後約半年経過し、数値的な改善効果は少しずつ現れてきていますが、それよりも感じるのは、
オペレーターの取り組み姿勢が以前よりも良くなってきていることです。
言い換えると、職場に良い意味での緊張感が生まれ、オペレーター一人ひとりの意識、
行動に少しずつではありますが変化がみられてきています。
DPAは目に見える生産性改善や技術伝承が注目されがちですが、伊万里セロリーでは、
一人から二人、二人から三人と現場の人が一緒に現場を振り返るための道具として利用しています。
それが、小さな改善へ活かされていると思います。
どこの工場でも近い将来危惧されていることに、ベテラン社員による特殊な縫製、
特殊なユニフォームなどの技術、ノウハウが無くなってしまうことがあります。
これらのノウハウをできるだけ早く、次の社員に引き継いでいく必要があります。
それには時間が非常にかかります。
伊万里セロリーでスタートした動作分析を皮切りに最終的には他の国内3⼯場にもDPAを導⼊し、
技術の伝承及び、現場に密着した改善をグループとして進めていく所存です。
――今期は、ブランドアイデンティティー(BI)のロゴ「セロリーの花」を作成しました
50期の18年11⽉期には50億円の売上⾼を計画しています。各部署から2⼈ずつ選抜し、50期に向けたプロジェクトを⽴ち上げました。
何か記憶に残ることをしていこうと思っています。
セロリーをイメージした実在しない⼀輪の花で、今年から名刺や封筒、カタログなどで活⽤しています。来年、節目となる50期ですので、
このセロリーの花を業界に浸透させ、全国に咲かせていければと考えています。
さらにその先の2020年には東京五輪・パラリンピックが開かれます。かつての五輪を⾒ても、カラフルなユニフォームなどが登
場し、業界そのものを変えた歴史があります。おそらく、ユニフォームに対しても関⼼が⾼まってくるでしょうから、チャンス
でもあります。新しいユニフォームの創造についても取り組んでいければと考えています。